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(八十一)

【解読文】

     先達而六日ニ岡山江罷帰申候、次郎兵衛儀ハ残り
     居申、六日ニ象広嶋江着、行列見物等之
     諸事泊りニ而之模様見聞仕、翌七日朝同所
     出足ヲ見請罷帰、同九日晩帰着仕候
   一 四月十二日川辺泊ニ付、船着町材木や与一右衛門、
     片上屋次郎兵衛両人同所江参、裁許之者
     共江逢、岡山止宿之節、用事等承候様ニ
     申付、為案内罷越候由申達、挨拶仕候様ニ申
     付遣申候、十三日弥岡山泊ニ相極申ニ付、
     次郎兵衛儀ハ先達而十二日ニ罷帰候、与一右衛門儀ハ
     翌十三日川辺出足ヲ見請罷帰、又町口迄
     両人共迎ニ指出申候
   一 酉四月三日午中刻象到着、翌朝辰上刻
     出足仕候
   一 象小屋町会所厩ヲ囲、象屋弐間ニ三間半、
     惣廻り板囲、筵天井、入口開キ戸幅八尺、


【読み下し文】

     先達(せんだっ)て六日に岡山へまか(罷)り帰り申し
     候(そうろう)、次郎兵衛(じろうべえ)儀は残り(居)
     り申し、六日に象広島へ着(ちゃく)、行列見物等の
     品、諸事泊りにての模様見聞つかまつ(仕)り、翌
     七日朝同所出足(しゅっそく)を見受けまかり帰り、
     同九日晩帰着つかまつり候
   一 四月十二日川辺(かわべ)泊りにつき、船着(ふなつき)
     町材木屋与一右衛門(ざいもくやよいちえもん)、片上屋
      (かたかみや)次郎兵衛両人同所へ参り、裁許(さいきょ)
     の
者どもへ逢い、岡山止宿之せつ(節)、用事等承
      (うけたまわ)り候ように申し付け、案内のため(為)
      
まかり越し候(よし)申し達し、挨拶つかまつり候
     ように申し付け遣わし申し候、十三日いよいよ(弥)
      
岡山泊りにあいきま(極)り申すにつき、次郎兵衛儀は
     先達って十二日にまかり帰り候、与一右衛門儀は翌
     十三日川辺出足を見受けまかり帰り、また町口迄両人
     とも迎えに差し出し申し候
   一 酉(とり)四月十三日午中刻(うまのなかこく)象到着、
     翌朝辰上刻(たつのじょうこく)出足つかまつり候
   一 象小屋町会所(まちかいしょ)(うまや)を囲い、象屋
     二間(けん)に三間半、総廻り板囲い、筵(むしろ)天井、
     入口開き戸幅八尺(しゃく)、