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(八十)

【解読文】

     地方より出ル書付
   一 四月十三日象当町止宿、翌十四日発足
     之節、町中警固立番其外品々御入用之
     御足軽七拾壱人

     町奉行村上勘左衛門より差出候
     書付左之通
    長崎より江戸江象通り候ニ付、岡山泊
    諸事用意等品々留書
   一 象先触到来、四月三日芸州広嶋泊ニ
     相当り候ニ付、同所ニ而行列并見物之品
     又者飼料其外宿ニ而之模様承合罷帰候
     様ニ被仰付、四月朔日西大寺町片上屋次郎兵衛、
     中出石町大坂屋長右衛門両人申付、広嶋江
     遣申候処相延、同所四月六日泊ニ成申ニ付、
     長右衛門義ハ象小屋之様子其外之儀承合、


【読み下し文】

     地方(じかた)より出(いづ)る書付(かきつけ)
   一 四月十三日象当町止宿(ししゅく)、翌十四日発足
      (ほっそく)
のせつ(節)、町中(まちじゅう)警固(けいご)
     立ち番、そのほか品品(しなじな)御入用之御足軽
      (あしがる)七十一人

     町奉行村上勘左衛門(むらかみかんざえもん)より差し
     出し候(そうろう)書付左(さ)の通り
    長崎より江戸へ象通り候につき、岡山泊り諸事用意
    等品品留書(とめがき) 
   一 象先触(さきぶれ)到来、四月三日芸州広島泊りに
     あい(相)当り候につき、同所にて行列並びに(并)
     見物の品または飼い料そのほか宿にての模様
      (もよう)
(うけたまわ)り合いまか(罷)り帰り候
     ように仰(おお)せ付けられ、四月朔日(さくじつ)
     西大寺(さいだいじ)町片上屋次郎兵衛(かたかみや
      じろうべえ)
、中出石(なかいずし)町大坂屋長右衛門
      (おおさかやちょうえもん)両人申し付け、広島へ申し
     遣わし申し候ところ(処)あい延び、同所四月六日
     泊りになり申すにつき、長右衛門義は象小屋の
     様子、そのほかの儀承り合い