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(九)

【解読文】

      別紙写
     日置猪右衛門此節忌中ニ而罷在、
     拙者一名ニ而及御返答候、以上
       三月十三日

     右御廻状播州立野江被遣ニ付、豊後より
     脇坂豊之介殿御家来江被遣書状写
    一筆致啓達候、此度従長崎大坂迄
    象一疋被牽登候ニ付、中国筋用意
    之儀、長崎御奉行三宅周防守殿より
    国次之御廻状一通、板倉右衛門佐殿御
    家来より今日到来候ニ付、則以使札進之候、
    御順達可被成与存候、恐惶謹言
                伊木豊後
      三月十三日
     脇坂玄蕃様
     進藤大右衛門様


【読み下し文】

      別紙写
     日置猪右衛門(へきえいもん)このせつ(此節)
     忌中にてまか(罷)りあ(在)り、拙者一名にて
     御返答に及び候(そうろう)、以上
      三月十三日

     右御廻状播州
(ばんしゅう)竜野へ遣わさるる
     につき、豊後より脇坂豊之介(とよのすけ)殿
     御家来へ遣わさるる書状写し
    一筆啓達致し候、このたび(此度)長崎より(従)
    大坂迄象一匹牽
(ひ)きのぼ(上)せられ候につき、
    中国筋用意の儀、長崎御奉行三宅周防守(すおう
     のかみ)
殿より国つ(継)ぎの御廻状(かいじょう)
    一通、板倉右衛門佐(えもんのすけ)殿御家来より
    今日到来候につき、すなわ(則)ち使札を以て
    これをまいら(進)せ候、御順達なさるべくと
    存じ候、恐惶謹言
(きょうこうきんげん)
                伊木豊後(いぎぶんご)

      三月十三日
     脇坂玄蕃

     進藤大右衛門様