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(八)

【解読文】

                佐野十郎左衛門
                      書判
     伊木豊後
     日置猪右衛門
          参人々御中

      豊後より庭瀬江被遣返書写
    御状致拝見候、此度従長崎大坂迄象
    一疋被牽登候ニ付、中国筋用意之儀、
    長崎御奉行三宅周防守様より国次之
    御廻状一通、備後福山御家来より今日
    到来ニ付、以御飛脚被差越請取申候、
    早々可致順達候、恐惶謹言
                伊木豊後
                    判
      三月十三日

      佐野十郎左衛門様
      鈴木孫平治様


【読み下し文】

                佐野十郎左衛門
                      書判
     伊木豊後
(いぎぶんご)
     日置猪右衛門
(へきいえもん)
          参
(まいる)人人(ひとびと)御中

      豊後より庭瀬へ遣わさるる返書写し
    御状拝見致し候、このたび(此度)長崎より
    (従)大坂迄象一匹牽
(ひ)きのぼ(上)せられ
    候につき、中国筋用意の儀、長崎御奉行
    三宅周防守(すおうのかみ)様より国つ(継)
    の御廻状(かいじょう)一通、備後福山御家来
    より今日到来につき、御飛脚を以て差し越
    され受け取り申し候、早早(そうそう)順達
    致すべく候、恐惶謹言(きょうこうきんげん)
                伊木豊後
                    判
      三月十三日 
     佐野十郎左衛門様
     鈴木孫平治様