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(十)

【解読文】

     宇野藤左衛門様

      右之返書写左之通
    御使札致拝見候、今般従長崎大坂迄象
    壱疋被牽登候付、中国筋用意之儀、
    長崎御奉行三宅周防守様より国次之御廻状
    壱通板倉右衛門佐様御家来中より到来ニ付
    被遣、昨夜ニ入右之御廻状相達候、榊原
    式部大輔様御家頼中江早々致順達候、
    右為御答如此御座候、恐惶謹言
                脇坂新右衛門
      三月十五日           書判
                脇坂玄蕃
                      書判
     伊木豊後様
         御報

 一 象之儀ニ付長崎河面重右衛門より二月廿七日注進
   之写左之通
     長崎より象ヲ江戸へ被遣候ニ付、当春より


【読み下し文】

     宇野藤左衛門様

      右の返書写し左(さ)の通り
    御使札(さつ)拝見致し候(そうろう)、今般長崎
    より(従)大坂迄象一匹牽(ひ)きのぼ(上)せられ
    候につき、中国筋用意の儀、長崎御奉行三宅
    周防守(すおうのかみ)様より国つ(継)ぎの御廻状
     (かいじょう)一通、板倉右衛門佐(えもんのすけ)
    様御家来中より到来につき遣わされ、昨夜に
    入り右の御廻状あい(相)達し候、榊原式部大輔
     (しきぶたいふ)様御家来中へ早早(そうそう)順達
    致し候、右御答として(為)、かくのごとく(如此)
    ござ(御座)候、恐惶謹言(きょうこうきんげん)
                脇坂新右衛門
      三月十五日           書判
                脇坂玄蕃

                      書判
     伊木豊後(いぎぶんご)

         御報    

 一 象の儀につき長崎河面重右衛門より二月二十七日
   注進書
(ちゅうしんがき)の写し左の通り
     長崎より象を江戸へ遣わされ候
につき、
     当春より