明治時代の印刷物 − 文明開化の頃のデザイン −
◆◆  引札 : 岡山(おかやま)その1  ◆◆ 


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※ 記載文字
 舶来雑貨商
 メリヤス類一切 子ール、シャツ、    
 ズボン下蝙蝠傘袋物一切
 化粧品、大勉強
 岡山市富田町
 守谷吟治
※ 参考
 明治34(1902)年の発行となっている。
 舶来雑貨商は、当時とすれば、ハイカラな店である。
 店の所在地である岡山市富田町(現在の富田町1・2丁目)は、岡山城西北の外堀の西に江戸時代からあった町人の町であり、現在も商業が盛んである。
 引札の図柄は、新田義貞
〔にったよしさだ〕の故事に題している。
 新田義貞は、南北朝時代の武将であり、正慶2(1333)年に鎌倉に入って北条氏を滅ぼし、左兵衛督に任ぜられている。
 地元の方のお話では、戦前の小学校の教科書では、鎌倉幕府滅亡時の鎌倉攻めのエピソードとして、義貞が、稲村ケ崎まで来た際、満潮で鎌倉に入れず、義貞は、海中に刀剣を投じて、海神をなだめ、潮を引かせて、鎌倉入りに成功し、北条氏を滅ぼした故事が載っていて、唱歌にも歌われていたとのこと。高齢者の方には、懐かしい思い出かもしれない。
※「子―ル」とは、「ネル」のことで羊毛で織った布のことであり、当時は、高級品であった。
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 〔岡山県立図書館〕
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