大正15年5月 岡山県案内写真帖
20 臥龍松
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◆文字 臥龍松
和気郡香登村津田昇氏の庭園内に在り元中九年一の井克明なる者の栽植
したる所に係ると伝ふ一幹稍上りて九岐となり千枝蟠万枝状恰も虹龍の
蟠臥せるものに髣彿たり幹の周囲一丈五尺に余り枝伸東西に百五十尺南
北百二十尺にして樹の高さ十八尺なりと称す実に海内比を見さるの奇松
とす

◆説明 「臥龍松」について
和気郡香登村大字大内にあった松の古木。昭和21(1946)年の松くい虫被害で枯死している。
樹高3間(5.45m)、地上3尺(0.90m)の周囲11尺2寸(3.39m)、枝が横に伸びること東西方向に168尺(50.90m)、南北方向に94尺(28.48m)であった。
一ノ井氏によって植えられたという松の樹齢には諸説(※1)あるが、江戸時代後期には既に名木として知られており、文化年間ごろ(19世紀初頭)から明治維新まで池田家より肥料として毎年米3石などが与えられていたという。

註(※1)
 元中9(1392)年・・・『岡山県名勝誌 復刻版』
 正徳3(1713)年・・・『和気郡誌』
 延享4(1747)年・・・『岡山県史蹟名勝天然紀念物調査報告 第2冊』

◆参考文献 「臥龍松」について
『岡山県名勝誌 復刻版』 高千穂書房 1975
『岡山県史蹟名勝天然紀念物調査報告 第2冊』 岡山県史蹟名勝天然紀念物調査会編 名著出版 1974
『嘉永三年庚戊九月備前和気郡大内村の内 臥龍之松図』 山本慶一 1969
『臥龍松真写』 香門篤 1887
『ふるさと探訪』 三村章夫著 三村寿美子 1994
『和気郡誌』 私立和気郡教育会編 作陽新報社

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 〔岡山県立図書館メディア工房〕
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