大正15年5月 岡山県案内写真帖
22 安仁神社
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◆文字 安仁神社
邑久郡大宮村に在り国幣中社にして五瀬命を祀る往時社殿頗る宏荘なる
ものたりしか応永三年火災に罹り諸祀殿悉く烏有に帰し久しく旧観を失
ひ惨愴の状態に在りたり然るに明治維新百度張与の運に会し再び社殿を
修築し規模壮麗なるものとなれり

◆説明 「安仁神社」について
岡山市西大寺一宮にあり、延喜式内社としては備前国唯一の名神大社であるが、古くから「備前二宮」と呼ばれていた。祭神は五瀬命とされているが、異説も多い。
『一遍聖絵』で、一遍が備前国福岡藤井にて布教の際、吉備津宮神主の子息の妻は説法を聞いて急に出家する。一遍を問いただそうとした神主の子息も逆に一遍の言葉に出家してしまう。このときの吉備津宮は吉備津神社、吉備津彦神社ではなく、地理的に安仁神社であるともいわれている。

◆参考文献 「安仁神社」について
『国幣中社安仁神社誌』 安仁神社々務所 1925
『岡山県社寺所有資料調査報告書 安仁神社・法泉寺・本山寺』 岡山県教育委員会 1991
『吉備群書集成 第1輯』(「備陽国誌」) 吉備群書集成刊行会 1921
『一遍上人全集』(「一遍聖絵」) 橘俊道・梅谷繁樹著 春秋社 1989

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 〔岡山県立図書館メディア工房〕
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