大正15年5月 岡山県案内写真帖
27 鯛網
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◆文字 鯛網
県下瀬戸内海に於て使用する待機簿なる漁具なり五六月の交には鯛群を
包囲して一網能く数千尾を漁獲し鮮鱗溌剌実に壮観を極む一箇年の漁獲
高三十万円に達す

◆説明 「鯛網」について
瀬戸内海の味覚を代表する魚は鯛と鰆、と言われている。
鯛が「1箇年の漁獲高30万円」に達していたのは、大正12(1923)年のことである。この年の鯛の価額は魚類価額の約10%、鰆の価額は約15%を占めていた。
鯛を使った郷土料理には、鯛めん(鯛とそうめんを一緒に盛ったもの)、鯛の浜焼き(鯛を熱い塩の中に入れて蒸し焼いたもの)、鯛茶漬けなどがある。
大漁旗をたてた勇壮な漁が行われていた鯛網であるが、鯛の減少によってほとんどが姿を消し、現代では観光用鯛網に名残を止めるだけとなっている。

◆参考文献 「鯛網」について
『笠岡市史 第3巻』 笠岡市史編さん室編 笠岡市 1996
『玉野市史』 玉野市史編纂委員会編 玉野市 1970
『岡山県統計書 大正元年〜大正8年』 岡山県 1914〜1921
『岡山県統計年報 大正9年〜昭和4年』 岡山県 1922〜1931
『呼松漁村老漁民の水島灘への思い』 松下松右衛門 2004
『岡山の漁業』 西川太著 日本文教出版 1980

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 〔岡山県立図書館メディア工房〕
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