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(十二)

【解読文】

     五里とハ歩行得不仕候由
   一 泊宿々ニ象小屋
      高サ八尺余
       三
      横弐間半程
        内、壱間半程象出入之口
      右小屋之内ニとつなぎ弐本
       但、弐本之間五尺余ほど間明キ宜候由
   一 小屋ニ風入不申様ニ被仰付可然由、小屋之内
     地形少片下りニ仕宜由、象度々小便仕候故、
     溜り不申様ニとの埒ニ御座候
   一 小屋之内藁ヲ弐尺斗敷宜由、附添
     参候役人昼夜象ニ付居申ニ付、通事
     壱人、刀刺壱人居申所三敷斗ニ
     作添可然由
   一 右象食物
    一 笹之葉、小枝斗、一日之内凡唐目三百斤


【読み下し文】

     五里(り)とは歩行得
(え)つかまつ(仕)らず
     候
(そうろう) (よし)
   一 泊り宿宿(しゅくしゅく)に象小屋
      高さ八尺
(しゃく)
      入(いり) 三間
(けん)ほど
      横二間
半ほど
        内(うち)、一間半ほど象出入の口
      右小屋の内にとつなぎ二本
       但し、二本の間五尺余ほど間明き
       宜
(よろ)しき候由
   一 小屋に風入り申さぬように仰(おお)せ付けら
     れしか(然)るべき由、小屋の内地形(じぎょう)
     少し片さがりにつかまつり宜しき由、象たび
     たび(度度)小便つかまつり候ゆえ(故)、溜(たま)
     り申さぬようにとの埒(らち)にござ(御座)
   一 小屋の内藁(わら)を二尺ばか(斗)り敷き宜しき
     由、付添い参り候役人昼夜象に付きお(居)
     申すにつき、通事(つうじ)一人、刀差し一人
     お(居)り申す所三畳敷(さんじょうじき)ばかりに
      
作り添えしかるべき由
   一 右象食べ物 
    一 笹の葉、小枝ばかり、一日の内およ(凡)
      唐目(とうめ)三百斤(きん)