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(十三)

【解読文】

    一   一日ニ三度
       但、一度ニ大唐米四、五程ヲゆるたき候由
    一 白草 弐荷ほど
       すまふ取草之由
    一 姫草 弐荷ほど
    一 ていた葛 弐荷
       是ハていか葛と申、立木や壁ニはい付有之、
       丸キ小ぶり成ル葉ノかつら之由
     右三色之草無之時者、今時分ノ麦ノ
     穂好物之由承申候

       御内證ニ御用意可被遊品々
    一 ざぼん 拾ほと
       ざぼあんノ事にて御座候
    一 ダイ〱   三拾ほと
    一 饅頭  三拾ほと


【読み下し文】

    一 糝
(こなかき)  一日に三度
       但し、一度に大唐米
(たいとうまい)四、五升
        (しょう)
ほどをゆるゆるたき候由(よし)
    一 白草 二荷(か)ほど
       すもうとり(相撲取)草の由
    一 姫草 二荷ほど
    一 ていた葛(かずら) 二荷 
       これはていか葛と申し、立木や壁にはい付き
       これあり、丸き小ぶりなる葉のかずらの由
     右三色の草これなき時は、今時分の麦の穂好物
     の由承(うけたまわ)り申し候

       御内証(ないしょう)に御用意遊ばさるべき
       品品(しなじな)
    一 ざぼん     十ほど
       ざぼあんの事にてござ(御座)
    一 橙
(だいだい)    三十ほど
    一 饅頭
(まんじゅう) 三十ほど