(十四) 【解読文】 一 焼酒 二、三升 一 煤 壱升ほと 右附添参候役人望申節、早速御出シ 可然候、象不快之気味有之節望申由ニ付、 御内意申上候 一 道筋石橋なとゆるき不申様ニ可被仰付候 一 川水壱尺五寸、弐尺程之深ニハ歩行 渡りニ仕候由、近所ニ浅瀬無之候ヘハ、土俵ニ而 横三尺程通り道ヲ付、流水通イ所壱間 半も明候而、其間ヲ八寸角ニ而も橋之 幅五尺斗ニ被仰付候得者、宜由ニ御座候 一 象出足之儀ハ三月七日、八日之比ニ而可有 御座候由承申候由、已上 加世八兵衛 三月十八日 長谷川九郎大夫 覚 【読み下し文】 一 焼酒(しょうしゅ) 二、三升(しょう) 一 煤(すみ) 一升ほど 右付添い参り候(そうろう)役人望み申す せつ(節)、早速御出し然(しか)るべく候、 象不快の気味これあるせつ望み申す由(よし) につき、御内意申し上げ候 一 道筋石橋などゆるぎ申さぬように仰(おお)せ 付けらるべく候 一 川水一尺五寸(すん)、二尺(しゃく)ほどの 深さには、歩行(かち)渡りにつかまつ(仕)り 候由、近所に浅瀬これなく候(そうら)えば、 土俵にて横三尺(じゃく)ほど通り道を付け、 流水通い所一間(けん)半も明け候て、その間 を八寸角にても橋の幅五尺ばか(斗)りに仰せ 付けられ候えば、宜(よろ)しき由にござ(御座)候 一 象出足(しゅっそく)の儀は三月七日、八日のころ (頃)にてござあるべく候由、承(うけたまわ)り申 し候由、以上 加世八兵衛(かせはちべえ) 三月十八日 長谷川九郎大夫 (はせがわくろうだゆう) 覚(おぼ)え |
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