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(十七)

【解読文】

   一 船渡之所者馬五疋程乗候程之船を
     用意可被致候、尤、簀板斗ニ而者難相
     成候間、厚ミ六、七寸之角木を平ニ
     並、其上ニ土を薄ク置、陸地より船ニ牽
     乗せ候節茂、右之仕形ニ角木土俵
     を以道造いたし、船と陸と一面ニ有之
     度候
   一 土橋、薄キ板橋、薄キ石橋等者同前之
     事候、惣体石高成所者象歩兼候
     間、其御心得在之度候
   一 泊宿ニ而象を繋候場所者、弐疋立之
     厩中仕切を取退ケ土間を平ニいたし、
     右土間之内片脇ニ寄せ、長サ壱丈程之
     五寸角を竪ニ半分埋、半分出し置、
     其角木ニ象を繋申事ニ候、尤、厩
     無之泊者随分丈夫ニ構、広サ六畳


【読み下し文】

   一 船渡しの所は馬五匹ほど乗り候(そうろう)ほど
     の船を用意致さるべく候、尤も、簀板(すいた)
     ばか(斗)りにてはあい(相)なりがた(難)く候
     あいだ(間)、厚み六、七寸(すん)の角木を
     平(たい)らに並べ、その上に土を薄く置き、
     陸地より船に牽
(ひ)き乗せ候せつ(節)も、右の
     しかた(仕方)に角木、土俵を以て道造りいたし、
     船と陸と一面にこれありたく
(度)
   一 土橋、薄き板橋、薄き石橋等は同前の事に
     候、総体石高(いしだか)なる所は象歩きかね候
     あいだ、その御心得これあ(在)りたく候 
   一 泊り宿(じゅく)にて象を繋
(つな)ぎ候場所は、
     二匹立(だ)ての厩
(うまや)中仕切を取り除(の)
     土間を平らにいたし、右土間の内片脇に寄せ、
     長さ一丈(じょう)ほどの五寸角を竪(たて)
     半分埋め、半分出し置き、その角木に象を
     繋(つな)ぎ申す事に候、尤も、厩これ無き泊り
     は随分(ずいぶん)丈夫(じょうぶ)に構(かま)え、
     広さ六畳(じょう)