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(十八)

【解読文】

     敷程ニ支度可有之候、象小屋口之
     高サ八、九尺無之候而ハ、乗入候儀不
     相成候、且又附添之者別宿無之様ニと
     存候、勿論象遣之者象小屋之内に
     付添候様ニ可被致候
   一 見物人猥有之候而ハ象驚候、且又
     象休候節人音致シ候得者、寝兼候而
     象痛候間、象屋静ニ有之度候
    右此等之儀共ハ為御心得申達候
       飼料入用之品
    一 新藁   弐百斤
    一 笹葉   百五拾斤
    一 草    百斤
       但、いたぶ葛
         ひめ草
    一 芭蕉   弐本
       但シ、土付より切候而


【読み下し文】

     敷(じき)ほどに支度(したく)これあるべく候
     (そうろう)、象小屋口の高さ八、九尺(しゃく)
      
これなく候(そうらい)ては、乗入れ候儀あい(相)
     ならず候、かつまた(且又)付添いの者別宿これ
     無きようにと存じ候、勿論(もちろん)、象遣いの
     者象小屋の内に付添い候ように致さるべく候
   一 見物人みだ(猥)りにこれあり候ては象驚き候、
     かつまた
象休み候せつ(節)人音致し候(そうら)
     えば(得者)、寝かね候て象痛み候あいだ(間)
     象屋静かにこれありたく(度)
    右これらの儀どもは御心得として(為)申し達し候
       飼い料入用の品
    一 新藁(わら)    二百斤(きん)
    一 笹の葉     百五十斤
    一 草       百斤
       但し、いたぶ葛(かずら)
          ひめ草
    一 芭蕉
(ばしょう) 二本
       但し、土付(つちつき)より切り候て