左頁の拡大】 【頁の拡大】 【右頁の拡大


(二十)

【解読文】

     尾道 神野辺 矢掛 坂倉 古津
     片上 有年 いかるか 御着 大久保
     兵庫 西宮 大坂
              高木作右衛門内
       三月九日       田代弥一左衛門
        宿々
         問屋
           中
         年寄
    此先触於大坂北浜過書町 長崎屋
    五郎兵衛方へ可被相届候、以上

 一 象通候儀ニ付御家中江触状写
     此度長崎より江戸江象参候ニ付、御当地
     通り候節行掛り候ハヽ、片寄致見物候者ハ
     士屋敷并町家ニ候共、末々迄猥ニ無之
     道之邪魔ニ不成様ニ可仕候、尤騒敷
     声高ニ無之様ニ可有之候


【読み下し文】

     尾道
(おのみち) 神辺(かんなべ) 矢掛(やかげ) 
     板倉
(いたくら)  古都(こづ) 片上(かたかみ) 
     有年
(うね) 鵤(いかるが)  御着(ごちゃく) 
     大久保
(おおくぼ) 兵庫(ひょうご) 
     西宮
(にしのみや) 大坂(おおさか)
              高木作右衛門内
       三月九日       田代弥一左衛門

        宿宿(しゅくしゅく)
         問屋(といや)
               中
         年寄(としより) 
    この先触(さきぶれ)大坂北浜過書(かしょ)
    において長崎屋五郎兵衛(ごろうべえ)方へ、
    あい(相)届けらるべく候
(そうろう)、以上

 一 象通り候儀につき御家中
(かちゅう)へ触状写
     このたび(此度)長崎より江戸へ象参り候につき、
     御当地通り候せつ(節)行掛
(ゆきがか)り候(そうら)
     わば、片寄り見物致し候者は士
(さむらい)屋敷
     並びに(并)町家
(まちや)に候とも、末末(すえずえ)
     迄みだ(猥)にこれ無く、道のじゃま(邪魔)
     ならざるようにつかまつ(仕)るべく候、尤も、
     騒しく声高(こわだか)にこれ無きようにこれ
     あるべく候