(二十三) 【解読文】 豊後、猪右衛門江之書状 御飛脚差立候間、致啓達候、 殿様御機嫌能被成御座、御前様、 若殿様御同然ニ被成御座、恐悦ニ奉存候 其御地栄光院様倍御安泰被成御座、 旁以奉畏悦候 一 長崎より象ニ附参候役人通辞当之 渡部出雲守殿より之御状箱壱つ、御同人より 御留守居共江御頼越急便ニ差越、行逢 候ハヽ相渡候様ニ、尤備前より東ニ而逢不申候者、 右御状箱備前ニ差置、象通り候節 相渡候様ニとの御事ニ付、相達 御耳、早々差越候様ニと仰ニ付、則 此御飛脚七日着ニ不意申付、急に 差立申進候、委細者御留守居共より 各様江申上候様ニ申談候、恐惶謹言 【読み下し文】 豊後(ぶんご)、猪右衛門(いえもん)への書状 御飛脚差し立て候(そうろう)あいだ(間)、啓達致 し候、殿様御機嫌(きげん)よ(能)くござ(御座)な され、御前(ごぜん)様、若殿様御同然にござな され、恐悦(きょうえつ)に存じたてまつ(奉)り候、 その御地栄光院(えいこういん)様ますます御安泰 ござなされ、かたがたもって(旁以)畏悦(いえつ) たてまつり候 一 長崎より象に付き参り候役人・通辞(つうじ)当て の渡辺出雲守(いずものかみ)殿よりの御状箱一つ、 御同人より御留守居(るすい)どもへ御頼み越し、 急便に差し越し、行き逢い候わばあい(相)渡し 候ように、尤も備前より東にて逢い申さず候 (そうら)わば(者)、右御状箱備前に差し置き、 象通り候せつ(節)あい渡し候ようにとの御事に つき、御耳にあい達し、早早(そうそう)差し越し 候ようにと仰(おお)せにつき、すなわ(則)ち この御飛脚七日着に不意(ふい)申し付け、急に 差し立て申しまいらせ(進)候、委細は御留守居 (るすい)どもより各様へ申し上げ候ように申し 談じ候、恐惶謹言(きょうこうきんげん) |