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(二十九)

【解読文】

    仰之趣御紙面奉得其意候、恐惶謹言
                伊木豊後
      三月十九日
     津田丹下様
     小畠権内様
     近藤七郎右衛門様
    尚々日置猪右衛門儀忌中ニ付、追而御紙面
    見せ可申候、以上

 一 三月廿三日御国出足御飛脚、豊後より御留
   守居并伊庭平内江被遣書状
    当十二日之御飛脚大井川ニ二日逗留
    之由、一昨廿一日晩到着、御状令披見候、
    然者、渡部出雲守殿状箱
    此方様より相届申様ニ御手紙ニ而頼来り候由、
    写并各方より尋ニ御遣候趣、就右に
    出雲守殿用人より返事之写御見せ候


【読み下し文】


    仰(おお)せの趣(おもむき)御紙面その意得(え)
    たてまつ(奉)り候、恐惶謹言
(きょうこうきんげん)
                伊木豊後
(いぎぶんご)
      三月十九日
     津田丹下
(つだたんげ)
     小畠権内
(おばたごんない)
     近藤七郎右衛門
(こんどうしちろうえもん)
    尚尚
(なおなお)日置猪右衛門
(へきいえもん)儀忌中
    につき、追って
御紙面見せ申すべく候、以上

 一 三月二十三日御国出足(しゅっそく)御飛脚、豊後より
   御留守居(るすい)並びに(并)伊庭平内(いばへいない)
   遣わさるる書状
    当十二日の御飛脚大井川に二日逗留
(とうりゅう)
    由(よし)、一昨(いっさく)二十一日晩到着、御状
    披見(ひけん)せしめ(令)候、しかれば(然者)渡辺
    出雲守(いずものかみ)殿状箱(じょうばこ)この(此)
    方様よりあい(相)届け申すように御手紙にて頼み
    来たり候由、写し並びに(并)各方(おのおのがた)
    より尋ねに御遣わし候趣(おもむき)、右につき(就)
    出雲守殿用人(ようにん)より返事の写し御見せ候