(三) 【解読文】 左之通相心得候様ニ可被申渡候 一 象通候節、人大勢ニ而騒敷、象に障り候へ者 付紙ニ而 如何ニ候間、但し、見物等ニ出候義ハ 大勢人集り騒敷無之様に 不苦候 いたし可申候、尤、警固等指出にハ無之、惣而 大造ニ無之様ニ可被申付候、宿間等にても、 領分之内ハ右之趣可被申付候事 一 飼料ハ竹之葉、青草、藁飼候由、道筋青草 を間もなく喰候由ニ候間、青草無之所ハ、 竹の葉を用意致可申候、但、青草一日 三百斤程充毎日飼候由ニ候間、其積を以、 少々宛支度いたし置可申事 一 象呑水之儀者、清水を飼候由に候、清水 無之所ハ、にこり不申水を支度いたし置 可申事 一 早キ瀬之川ニ而も人多ク指添候得者、 無構渡り候由ニ候間、歩行渡り之川々ニ而 【読み下し文】 左(さ)の通りあい(相)心得候ように申し渡さる べく候(そうろう) 一 象通り候せつ(節)、人大勢にて騒がしく、象 に障(さわ)り候(そうら)えばいかが(如何)に候 付紙(つけがみ)にて、 あいだ(間)、但し、見物等に出(い)で候義は 大勢 苦しからず候 人集り騒がしくこれ無きように致し申すべく候、 尤も、警固(けいご)等差し出すにはこれなく、 総じてたいそう(大造)にこれ無きように申し付 けらるべく候、宿間等にても領分の内は右の 趣(おもむき)申し付けらるべく候事 一 飼い料は竹の葉、青草、藁(わら)飼い候由(よし)、 道筋青草を間もなく喰い候由に候あいだ、青草 これ無き所は竹の葉を用意致し申すべく候、但し、 青草一日三百斤(きん)ほどあて(宛)毎日飼い候由 に候あいだ、その積りを以て少少(しょうしょう) ずつ支度(したく)致しおき申すべき事 一 象呑(のみ)水の儀は清水を飼い候由に候、清水 これ無き所は、にごり申さぬ水を支度いたし おき申すべき事 一 早き瀬の川にても人多く差し添え候えば、かま(構) いなく渡り候由に候あいだ、歩行(かち)渡りの 川川(かわがわ)にて |
|||