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(三十五)

【解読文】

    追而申入候、此追触留りより大坂過書町
    長崎屋五郎兵衛所江可被相達候、以上

    象今朝六つ時分、大村出立候由、弥
    今晩彼科一宿之由ニ而御座候
   一 先達而被仰聞橙之儀、弥たい
     之由ニ御座候
   一 大村ニ而旅籠并象飼料諸色値段
     左之通銀取之由、此方ニ而も右之通
     銀取申筈ニ御座候
   一 旅籠朝夕賃銀壱、銭ニして
     百廿六
   一 まんちう七十
      賃銀壱匁三分六、銭ニして百三文
   一 大唐米八升
      代銀弐匁五分三厘、銭ニして丁百九拾弐文


【読み下し文】


    追って申し入れ候、この追触(おいぶれ)留まりより
    大坂過書(かしょ)町長崎屋五郎兵衛所へあい(相)
    達せらるべく候(そうろう)、以上

    象今朝六(む)つ時分大村出立候由(よし)、いよいよ(弥)
    今晩彼杵
(そのぎ)一宿の由にてござ(御座)
   一 先達(せんだっ)て仰(おお)せ聞けられ橙(だいだい)の儀、
     いよいよだいだいの由にござ候
   一 大村(おおむら)にて旅籠(はたご)並びに(并)象飼い料
     諸色(しょしき)値段、
(さ)の通り銀取りの由、この
      (此)方にても右の通り銀取り申すはず(筈)にござ候
   一 旅籠朝夕賃銀(ちんぎん)一匁(もんめ)六分(ふん、ぶ)
     銭(ぜに)にして百二十六文(もん)
   一 まんじゅう 七十
      賃金一匁三分六厘(りん)、銭にして丁(ちょう)百三文
   一 大唐米(たいとうまい) 八升(しょう)
      代銀二匁五分三厘、銭にして丁百九十二文