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(三十六)

【解読文】

   一 久年母五十
      代六分六厘、銭ニして丁五拾文
     右之通御座候、外之諸色代不受候由
   一 先触ニ大唐米かゆニ焼置候様に有之
     候処、大村より諫早へ承合候へ者、めしニ
     焼置候由、大村ニ而もとうほし米能しらけ、
     随分めしかけん能たき置候而、象仕之
     者江相渡シ候処、其通ニ而事済候由、
     尤ちりなと少ニ而も交り候而ハたへ不申由、
     外之飼料先触之通相違無御座由、
     右之旨為御心得申進候、相替儀も
     御座候ハヽ、追々可得御意候、以上
       三月十七日    佐藤三左衛門
      伊東新右衛門様
       覚
   一 象壱疋 宰領拾三人


【読み下し文】


   一 九年母(くねんぼ) 五十
      代六分(ふん、ぶ)六厘(りん)、銭(ぜに)
      して丁(ちょう)五十文(もん)
     右の通りござ(御座)(そうろう)、ほかの
     諸色(しょしき)代受けず候由(よし)
   一 先触(さきぶれ)に大唐米(たいとうまい)かゆ
     にた(焼)き置き候ようにこれあり候ところ
     (処)、大村(おおむら)より諫早(いさはや)
     承(うけたまわ)り合い候えば(者)、めしに
     たき置き候由、大村にてもとうぼし米
     よ(能)くしらげ、随分(ずいぶん)めしかげん
     よくたき置き候て、象遣いの者へあい(相)
     渡し候所、その通りにて事済み候由、尤も、
     ちりなど少しにても交じり候
(そうらい)ては
     たべ申さず由、ほかの飼い料先触の通り相違
     ござ無き由、右の(むね)御心得として申し
     まいらせ(進)候、あい替わる儀もござ候わば、
     追い追い御意(ぎょい)を得
(う)べく候、以上
                佐藤三左衛門
       三月十七日    
      伊東新右衛門様
       覚(おぼ)
   一 象一匹 宰領(さいりょう)十三人