(四十) 【解読文】 覚書 一 旅籠料理一汁三菜、酒三遍、肴一種、 上下無之、代壱匁 一 宰領衆江被遣物無之 一 太唐米つき申候而、一日ニ八升入申事 内、四升粥ニたき申事 一 饅頭麦ニ而者無之、米饅頭あんなし 一 道筋押ニして、肥前にてハ鑓之衆付添 罷通候由、小倉ニ而者足軽位之格之由、 此方様ニ而者御組はつれ衆ノ格之由ニ 相聞候事 一 小倉ニ而象小屋建所、西御番所前唐 津屋市郎兵衛与申者所之脇被仰 付候事 一 道筋随分被入御念候事 酉三月十四日 【読み下し文】 覚書(おぼえがき) 一 旅籠(はたご)料理一汁三菜(いちじゅうさんさい)、 酒三遍(べん)、肴(さかな)一種、上、下(かみ、 しも)これ無く、代一匁(もんめ) 一 宰領(さいりょう)衆へ遣わさるる物これ無し 一 大唐米(たいとうまい)つき申し候(そうろう)て、 一日に八升(しょう)入り申す事、内、四升 粥(かゆ)にたき申す事 一 饅頭(まんじゅう)麦にてはこれ無く、米饅頭 あんなし 一 道筋押(おさ)えにして、肥前にては槍の衆 付添いまか(罷)り通り候由(よし)、小倉にて は足軽(あしがる)くらいの格の由、この(此)方 様にては御組はずれ衆の格の由にあい(相)聞 こえ候事 一 小倉(こくら)にて象小屋たてどころ(建所)、 西御番所前唐津屋市郎兵衛と申す者所の脇 仰(おお)せ付けられ候事 一 道筋随分(ずいぶん)御念入れられ候事 酉(とり)三月十四日 |