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(四十一)

【解読文】

    此覚書長府役人より小倉役人江人
    聞合ニ遣シ、小倉役人之演説かね、長府
    より聞合之者覚書ニ仕罷帰候写之分

 一 三月晦日 下関より差出追触写
      追触
     先達而差出候先触泊付之通ニ而者
     関東筋梅雨時節ニ而川々無心元候、
     殊ニ象能歩候ニ付、日ヲ詰罷越候、人
     馬等其御心得頼入候、其余者先達而
     相触候通ニ候、尤泊付左ニ記候
   一 象小屋内板囲ニ致し、屋敷之内有度候、
     外ニ有之候而ハ悪敷候
      但、屋敷内と申越シ候ハ、家内と申ニ而ハ無之候、
      構内と申ニ候
       以上


【読み下し文】


    この覚書(おぼえがき)長府(ちょうふ)役人より
    小倉(こくら)役人へ人聞き合せに遣わし、小倉
    役人の演説かね、長府より聞き合せの者覚書に
    つかまつ(仕)りまか(罷)り帰り候写しの分

 一 三月晦日(みそか) 下関(しものせき)より差し出す
   追触(おいぶれ)写し
      追触
     先達(せんだっ)て差し出し候先触(さきぶれ)泊付
      (とまりづけ)の通りにては関東筋梅雨時節にて
     川川(かわがわ)心もと無く候、殊(こと)に象よ(能)
     く歩き候につき、日を詰めまかり越し候、人馬等
     その御心得頼み入り候、その余
(よ)は先達てあい
     (相)触れ候通りに候、尤も泊付左(さ)に記し候
   一 象小屋内板囲いに致し、屋敷の内ありたく(度)候、
     外にこれあり候(そうらい)ては悪
(あ)しく候
      但し、屋敷内と申し越し候は、家内と申すにて
      はこれ無く候、構(かま)内と申すに候
       以上