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(四十六)

【解読文】

     差出し可申候
   一 備前津高郡へ相移り候時、辛川より岡山
     新町口迄右同断
   一 岡山万町口より森下口迄先払同心弐人、
     跡押ニハ入江久左衛門俣野利介両人之内
     壱人并惣年寄壱人、同心弐人付、送
     候様ニ申付候
   一 象飼料、笹葉、姫草、いたふ葛、清水ハ大唐米も同事ニ
                       用意申付候
     郡切ニ持送りニ可申付候
      前廉ニハていかかつらと申来候へとも、いたふ葛ノ
      事ニ而御座候、ていか葛とハ大キニ違申候、芭蕉ヲ
      好申由御座候へ共、爰許ニハ只今無御座候
   一 象不快之節之入用、たい、九年母、焼酒、
     煤、饅頭之類も右同断
   一 野辺ニ而見物仕老若男女江ハそれ
     百姓共ヲ裁判差出、遠々と見物仕候様ニ


【読み下し文】


     差し出し申すべく候(そうろう)
   一 備前津高(つだか)郡へあい(相)移り候時、辛川(からかわ)
     より岡山新町口(しんまちぐち)迄右同断(どうだん)
   一 岡山万(よろず)町口より森下(もりした)口迄先払い
     同心(どうしん)二人、後(あと)押えには入江久左衛門
      (いりえきゅうざえもん)、俣野利介(またのりすけ)両人
     の内一人、並びに(并)惣年寄(そうどしより)一人、
     同心二人付け、送り候ように申し付け候
   一 象飼い料、笹の葉、姫草、いたぶ葛(かずら)
     清水は
大唐米(たいとうまい)も同事(どうじ)
            用意申し付け候

     郡切(ぐんぎり)に持ち送りに申し付くべく候
      前廉(まえかど)にはていかかずらと申し来たり候
       (そうら)えども、いたぶ葛(かずら)の事にてござ
       (御座)候、ていか葛とは大きに違い申し候、
      芭蕉(ばしょう)を好み申す由(よし)にござ候えども、
      ここもと(爰許)にはただいま(只今)ござ無く候
   一 象不快の節の入用
(にゅうよう)、だいだい、九年母
      (くねんぼ)、焼酒(しょうしゅ)、煤(すみ)、饅頭(まん
      じゅう)
の類も右同断
   一 野辺(のべ)にて見物つかまつる老若男女(ろうにゃく
      なんにょ)
へはそれぞれ百姓どもを裁判(さいばん)
     差し出し、遠遠(えんえん)と見物つかまつり候ように