(四十八) 【解読文】 一 象泊候節、若出火有之候而も、鐘撞堂ニ而 鐘撞申事無用申付、蓮昌寺、酒折両所之 鐘ヲ撞せ可申候 一 勘左衛門儀、象町会所より罷立候ハヽ、跡より 森下口迄罷越、諸事〆り之為残居申候而、 跡より罷帰候様ニ可仕候 一 久左衛門・利介両人之内壱人ハ森下町相詰 罷有、何そ急御用等御座候ハヽ承候様ニ可仕候、 壱人は象ニ付参可申候、以上 四月 一 広嶋御領内之様子承合罷帰候趣ニ付窺 一 象小屋仕形之事 大サ横弐間半 入四間 但、難成所ハ弐間ニ三間半にても不苦趣 【読み下し文】 一 象泊り候(そうろう)せつ(節)、も(若)し出火 これあり候(そうらい)ても、鐘撞堂(かねつきどう) にて鐘撞(つ)き申す事無用申し付け、蓮昌寺 (れんじょうじ)、酒折(さかおり)両所の鐘を撞かせ 申すべく候 一 勘左衛門(かんざえもん)儀、象町会所(まちかいしょ) よりまか(罷)り立ち候わば、後(あと)より森下口 (もりしたぐち)迄まかり越し、諸事締(〆)りの ため(為)残りお(居)り申し候て、後よりまかり 帰り候ようにつかまつ(仕)るべく候 一 久左衛門・利介両人の内一人は森下町あい(相) 詰めまかりあり、何ぞ急御用等ござ(御座)候 わば承(うけたまわ)り候ようにつかまつるべく 候、一人は象に付き参り申すべく候、以上 四月 一 広島御領内の様子(ようす)承り合いまかり帰り候 趣(おもむき)につき伺い 一 象小屋しかた(仕方)の事 大(おおき)さ横二間(けん)半 入(いり)四間 但し、なりがた(難)き所は二間に三間半 にても苦しからず趣 |