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(五十一)

【解読文】

   一 飼料笹葉之事、山笹ニ不限常之竹之葉、
     茎ともニ候由
いたふかつら、姫草、九年母、饅頭、たい
               前書上之通ニ御座候、芭蕉先ハ入用無之由

   一 竹ヲ嫌候様ニ相聞承合候へとも、曽而左様之
     儀ハ無御座候由
   一 旅篭仕出し候事
      広嶋ニ而ハ座付雑煮・吸物ニ而酒出し、
      一汁五菜>之料理、夜食にハめんるい等出シ
      候積之由
     御領内ニ而者一汁三菜、念入酒、肴一種出シ
     候程ニ可有御座哉、象遣等へハ相応之夜食
     見合出し候様ニ可仕候
   一 先払行儀之儀広嶋ニ而ハ別紙之通ニ御座候、
     御領内ニ而ハ先日伺之通ニ被仰付候得ハ、広嶋
     之趣余り相違ハ無御座様ニ奉存候
      但、御郡方へ罷出申候御足軽直クニ岡山町之内ニ而も
      先払相勤候様ニ被仰付可然哉
御歩行目付、御先歩行
                   
御出し可被成哉


【読み下し文】

   一 飼い料笹の葉の事、山笹に限らず常の竹の葉、
     茎ともにた(給)べ候(そうろう)(よし)
         いたぶかづら、姫草、九年母(くねんぼ)、饅頭(まんじゅう)
         だいだいは
前書上の通りにござ(御座)候、芭蕉先(まず)
         入用これ無き由

   一 竹を嫌(きら)い候ようにあい(相)聞こえ承(うけたまわ)
     合い候(そうら)えども、かつ(曽)て左様(さよう)の儀は
     ござ無く候由
   一 旅籠(はたご)仕出し候事
      広島にては座付き雑煮(ぞうに)・吸物にて酒出し、
      一汁五菜(いちじゅうごさい)の料理、夜食には
      めんるい等出し候積(つも)りの由
     御領内にては、一汁三菜、念入り酒、肴(さかな)一種
     出し候ほどにござあるべきや、象遣い等へは相応の
     夜食見合い出し候ようにつかまつ(仕)るべく候
   一 先払い行儀(ぎょうぎ)の儀広島にては別紙の通りにござ
     候、御領内にては先日伺いの通りに仰(おお)せ付けら
     れ候え(得)ば、広島の趣(おもむき)余り相違はござ無き
     ように存じたてまつ(奉)り候、但し、御郡方(ぐんがた) 
     へまか(罷)り出(い)で申し候御足軽(あしがる)(直)ぐに
     岡山町の内にても先払いあい勤め候ように仰せ付けられ
     然(しか)るべきや
御歩行目付(かちめつけ)・御先歩行(さきかち)
                御出しなさるべきや