(六十九) 【解読文】 無滞相通り候、今夜片上止宿之筈ニ候、 右之趣御留守居共へ以御飛脚申遣候故 如此ニ候、恐惶謹言 両判 四月十四日 伊庭平内様 右返書四月廿六日之日付五月四日到着、 来状之趣承知之由、其外無別条ニ付不記之 以御飛脚令啓達候、然者象昨十三日 当御地江着、当町止宿ニ候、今朝発足、町 筋無滞相通り候、今夜片上止宿之筈ニ候、 御国境越申上、尚又可申進候、且渡部出雲守殿 御状箱昨日御国境ニ而早速相渡シ候処、 御同人家来之由古市左大夫、高木作右衛門 内小舳田八左衛門、福井雄介、唐通事清川 永左衛門より之返書状箱雨紙包ニ而壱箱并 【読み下し文】 滞(とどこお)り無くあい(相)通り候(そうろう)、 今夜片上(かたかみ)止宿(ししゅく)のはず(筈)に候、 右の趣(おもむき)御留守居(るすい)どもへ御飛脚を 以て申し遣わし候ゆえ(故)、かくのごとく(如此) に候、恐惶謹言(きょうこうきんげん) 両判 四月十四日 伊庭平内(いばへいない)様 右返書四月二十六日の日付五月四日到着、来状 の趣承知の由(よし)、そのほか別条(べつじょう) 無しにつき、これを記さず 御飛脚を以て啓達せしめ(令)候、しかれば(然者) 象昨十三日当御地へ着(ちゃく)、当町止宿(ししゅく) に候、今朝発足(ほっそく)、町筋滞り無くあい通り 候、今夜片上止宿のはずに候、御国境越し申し上げ、 なおまた(尚又)申しまいら(進)すべく候、かつ(且) 渡部出雲守(いずものかみ)殿御状箱昨日御国境にて 早速あい渡し候ところ(処)、御同人家来の由古市 左大夫、高木作右衛門内小舳田(おへだ)八左衛門・ 福井雄助(介)、唐通事(つうじ)清川永左衛門よりの 返書状箱雨紙包みにて一(ひと)箱並びに(并) |