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(八十四)

【解読文】

   一 象屋之前仮番所御足軽弐人差置申候
     釘貫御紋之ちやうちん弐つ燈申候
   一 万町口より森下口迄象先払御足軽弐人、
     同心弐人、象跡ニ同心弐人、象飼料持送り
     町名主、人足、御先歩行弐人、御歩行目付
     壱人、町目付俣野利介、惣年寄壱人付送り
     申候
   一 万町口より森下町口迄辻々〆り無之所、竹垣
     弐拾五ケ所結、其外関貫ヲして関貫入込候所ハ
     三、四間入込、縄張申付見物ヲ押申候
   一 中山下上東西四つ辻ハ、御小作事方より
     竹垣出来仕候
   一 所々町筋〆り無之所、竹垣之場所西東、
     町口所々江見物押ニ御足軽罷出候
   一 町筋見物家之内ニ罷敷居申様ニ申付、通り
     筋町並簾ヲ悉掛ケ申候


【読み下し文】

   一 象小屋の前、仮番所御足軽(あしがる)二人差し置き
     申し候(そうろう)、釘抜(くぎぬき)御紋のちょうちん
     二つ灯(とも)し申し候
   一 万(よろず)町口より森下(もりした)口迄先払い御足軽
     二人、同心(どうしん)二人、象後(あと)に同心二人、
     象飼い料持ち送り町名主(まちなぬし)、人足(にんそく)
     御先歩行(さきかち)二人、御歩行目付(かちめつけ)一人、
     町目付俣野利介(またのりすけ)、惣年寄(そうどしより)
     一人付け送り申し候
   一 万町口より森下町口迄辻辻(つじつじ)(〆)りこれ
     無き所、竹垣二十五か所結び、そのほかかんぬき(閂)
     をしてかんぬき入り込み候所は三、四間(けん)入り
     込み、縄張(なわばり)申し付け見物を押さえ申し候
   一 中山下(なかさんげ)(かみ)東西四辻(よつつじ)は、
     御小作事方(こさくじがた)より竹垣出来つかまつ(仕)
     り候
   一 所所(しょしょ)町筋締りこれ無き所、竹垣の場所西東、
     町口所所へ見物押えに御足軽まか(罷)り出(い)
   一 町筋見物家の内にまかり敷居(しきい)申すように申し
     付け、通り筋町並(まちなみ)(すだれ)を悉(ことごと)
     く掛け申し候