発行・出版状況がわからない地図である。書籍などの付図であったのかも知れない。大日本帝国陸軍第十七師団の所在地が☆印で示されており、他の地図記号と比較しても大きさなどが突出している。帝国陸軍は日露戦争時に増設した師団を戦後も引き続き維持し、戦後さらに２師団を増設した。第十七師団は日露戦争後に創設された新しい師団であり、１９０７（明治４０）年に岡山県御津郡伊島村に設置された。このことから本図は少なくとも１９０７年以降のものと見なしうる。一方、鉄道に着目すると宇野線が未開通である。宇野線の開通は１９１０（明治４３）年であることから、本図は１９０７〜１９１０年頃に作製された地図とみなすことができる。なお第十七師団は第一次世界大戦後の軍縮の中で１９２５（大正１４）年に一時廃止されたが、１９３７（昭和１２）年の日中戦争時に再建され、以後、中国戦線や南方戦線に出陣している。

作成日：明治40年代頃

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