この図は、塚本吉彦氏旧蔵のものである。裏面に「吉備足守、小早川秀雄自筆」と記されている。元々は海部之男鹿百（アマベノナカモ）が持っていた図だと考えられる。延長元年は、西暦９２３年である。菩提寺の圓會僧正、本隆寺の隆生僧都についてはよくわからない。「吉備津彦神社史料　文書篇」所収の鬼城縁起寫にも圓會僧正と隆生僧都（＊１）の名がみえ、延長元年１２月５日の年月日が記されている。海部の地については、窪屋郡生坂村より南側だと「備中誌」に記している。吉田晶氏は、吉備海部直氏の本拠地は、邑久地域だと主張している。　ちなみに「古事記」仁徳段の黒媛伝承の黒媛は、吉備海部直氏出身である。（＊１）鬼城縁起寫の隆生僧都の寺院は本覺寺となっている。

作成日：江戸末期

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