近代的な地方自治制度の先駆けとして位置づけられている郡区町村編制法が１８７８（明治１１）年に公布された。これに従い、時の県令高崎五六は同年９月に岡山県下を１区３１郡に分け、美作の東南条郡と西北条郡には二郡で一郡役所を置き、都合区役所１、郡役所３０を置いた。本地図はその発行年から郡区町村編制法直後の新行政区画を示すために作成された地図と考えることができる。ところで地図の随所に示される黒丸は現在の郵便局の所在地である。１８７１（明治４）年に始まった岡山県下の郵政事業は１８７６年（明治９）年には１３５局、１８７９年（明治１２）年には１４３局の郵便局が設置され、ほぼ県内全域を網羅するに至っている。百を超える黒丸はまさに当時の郵政事業の広がりを垣間見ることができ、興味深い。

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