宝永８年（１７１１）３月に作成されたこの絵図は，丸亀町の商家であった備中屋藤田家文書の中に入っていたものである。現在丸亀町は，野田屋町と富田町の一部となっている。間口・奥行・家持の屋号・名前が記され，借家や門などの書き込みもみられる。うこん色ととくさ色に色分けされているが，うこん色は瓦葺，とくさ色は草葺の屋根であることを示している。花色（青色）の部分は悪水みぞである。片山新助氏は『近世岡山町人の研究』の中でこの絵図の弘化４年（１８４７年）の写しの説明文から呰部屋太郎左衛門が絵図の制作者だと推定している。

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