宝暦１０年（１７６０）秋、岡山藩士土肥経平（１７０７〜８２）が著した伊賀上野鍵屋の辻での仇討ちの話。寛永７年（１６３０）秋、弟を殺された渡辺数馬が同１１年冬、荒木又右衛門の助力を得て仇河合又五郎を討ち取る物語。本書は写本。巻末の土肥経平の奥書によると、この話を記した「殺報転輪記」は年月を記さず前後関係が明確でないので、寛永１５年（１６３８）の秋、渡辺数馬と荒木又右衛門が鳥取に帰った時に語った記録、伊勢国津の侍横山九郎右衛門が岡山に来て語った覚書、熊沢氏（熊沢淡庵）の「砕玉話」、土肥自身が若いころに老人から聞いた話などを考え合わせて著作したという。（文責：岡山県立図書館）

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