明治４年（１８７１）倉敷県庁の命で管内の神社を調査したときのいきさつを、調査に従事した３人（黒瀬義路・森田豊久・堀清一郎）のうちの一人堀清一郎が日を追って随筆風にまとめた記録。この調査の報告書が「神社考証書」（ＫＷ１７０／４１）である。自分は黒瀬・森田より劣るので、両先生の従者と心得ている。両先生を千里の馬として、自分はその尾につく蒼蝿だとへりくだって本書の表題としたもの。記事は、明治４年４月１日から２４日まで。金山寺（現岡山市金山寺）、鼓（つづみ）神社（現岡山市上高田）、吉川（よしかわ）八幡宮（現賀陽町吉川）、野俣（のまた）神社（現賀陽町岨谷（すわだに））、英賀（あが）郡英賀土産神社、小阪部（おさかべ）村阿蘇明神（現大佐町）、千屋、勝山、津山、和気をめぐっている。本書は「岡山県地理歴史調査用紙」に書かれており、明治時代の郷土史研究家塚本吉彦（１８３９〜１９１６）の写本と推測される。（文責：岡山県立図書館）

続きを閉じる