「於佐呉」は池田備中守長幸（鳥取藩主、元和３年備中松山藩主）の内室（作州森美作守忠政娘）に付き従ってきた「おさご」という女性のこと。「おさご」は３０歳余、容貌美しく利発で、主君に気に入られ諸事を執り行なったが、城の普請にまで口を出すようになったため、内室死去の際、給仕の仕方宜しからずと松山に呼び返されて切られたという。本書は明治３９年（１９０６）、郷土史研究家塚本吉彦（１８３９〜１９１９）が「稲葉民談」（「因幡民談」か）や「池田家履歴略記」などから関係部分を抜き書きし、威徳寺（いとくじ）や頼久寺（らいきゅうじ）（ともに現高梁市）を訪れて調査し、「おさご」という女性についてまとめたもの。（文責：岡山県立図書館）

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