本来の表紙に、「御城米船中御定法・御支配申渡御請書　諸用留　江戸納名主伊八郎」とある。幕府領龍野藩預所美作国５郡（英田（あいだ）・勝南（しようなん）・勝北（しょうぼく）・久米南条（くめなんじょう）・久米北条（くめほうじょう））の年貢米の内、江戸・大坂への廻米や伊予国銅山師へ渡す飯米の船輸送などについて、龍野藩の関係文書、船中の規則、上乗り役人の請書などを、江戸輸送の担当者である納名主の岡伊八郎が書き留めたもの。記事は文化元年（１８０４）１１月から同２年２月まで。船中の輸送米の管理について、寛文１３年（１６７３）２月に出されていた定書を、文化元年（１８０４）１２月１０日に龍野藩士平野七郎兵衛と三沢清太夫が改めて通達した「定」、同日備前国金岡湊（現岡山市西大寺金岡）で同藩の井垣伝平が船改めした「覚」、御城米の「送り状」などが書き留められている。後に付けられた表紙には「御城米船中御定法文書　郡中大割元江戸納庄屋岡伊八郎氏茂」とあり、巻頭に、文化元年１１月２３日から翌２年２月２７日までの航海日誌の一部を書き写したと思われる罫紙が１枚綴じ合わされている。池ヶ原（現津山市池ヶ原）の郷土史家大岡熊次郎（１８４２〜１９２０）の筆跡と推測される。（文責：岡山県立図書館）

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