美作国勝南郡福力(ふくりき)村・池ヶ原村・末村・黒坂村・為本(ためもと)村・堂尾(どうのお)村・倉見村組合(現津山市・勝央町・柵原町)の御仕置五人組帳。通常五人組帳は農民の守るべき事柄を箇条書きにした「前書」部分と、これを守ることを誓約した組合員の連名・連印部分から成る。本書は、享保21年(1736)正月、いずれも幕府領であった組合の村々の百姓に宛てた池田喜八郎名の達(「覚」と題する)と、これに対する組合員の請書(うけしょ)から成り、「覚」と題する「前書」部分は、百姓が守るべき61ヶ条と24件の附書(つけがき)。黒坂村庄屋組分のみ、百姓名の後に黒印が押されており、本書は黒坂村庄屋組分の控え文書と考えられる。 見返し部分に書き込みがあり、寛保元年(1741)・同2年の清帳・請書などについて触れているが、記述内容は本書と一致しない。冒頭部分に訂正された跡がある。のちに付けられた表紙には、「享保廿一年丙辰年正月 御仕置五人組達向文書 福力村・池ヶ原村・末村・黒坂村・為本村・堂尾村・倉見村引請 郡中大割元」とあるが、池ヶ原(現津山市池ヶ原)の郷土史家大岡熊次郎(1842〜1920)の筆と推測される。(文責:岡山県立図書館)
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