もとの表紙には「池田家類纂　文武門　文学」とある。本書は、宝暦年間（１７５６年ごろ）に岡山藩学校の副監大沢貞雄が編集した備前国の儒学者の伝記や行状（『吉備群書集成』第四輯所収の「？水余波（はんすいよは）」か）、これ以後の学者が記した儒学者の行状・墓誌銘などを、道夫が明治２５年（１８９２）１２月に、抜粋してまとめたものという。道夫は、岡山藩の医師で、のち池田家の修史事業にかかわった木畑道夫（１８２４〜１９０４）と推測される。泉仲愛の行状（篠岡利貞撰）、中江宜伯の墓誌銘、津田永忠の行状（撰者不明）、小原正敏の行状（篠岡利貞撰・窪田之貞撰）、市浦惟直の行状（篠岡利貞撰）、篠岡利貞の伝記（小原正長撰）と行状（万波俊休撰）、窪田重中の行状（窪田之貞撰）、小原正長の行状（窪田之貞撰）、松井良直の伝記（近藤篤撰）、和田正尹の行状（大沢貞雄撰）、阪口忠興の伝記（窪田之貞撰）、富田玄真の事歴（窪田之貞撰）、姫井桃源の墓誌銘（和田正定撰）が収録されている。（文責：岡山県立図書館）

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