江戸時代後期の伊勢参りの流行に対応して、旅行者の便を図るために出版された伊勢参宮の手引書。携帯用の小型冊子。出版された年代、発行所とも不明。参宮大意、参宮用意、旅行吉日、旅行凶日、蝕穢并忌服、京より参詣行程、二見浦行程并海路、多賀社参詣行程、坂迎古意、愛宕山参詣、京より道中問屋名前駄賃付、江戸より行程問屋駄賃付、大坂より行程、和州より田丸越行程など、項目別に解説が付けられている。「国阿参詣」と「京より参詣行程」の間に、安永７年（１７７８）３月２１日付の、作州津山（現津山市）から京までの行程・名所などを書き上げた１２丁分が刷り込まれており、全国版の間に一部地方の情報を挟んで、その地方の人々のために販売する出版方法が取られたことが推測される。（文責：岡山県立図書館）

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