甕剣堂主人松本胤恭（たねやす）が、岡山文学会席上で行なった「吉備刀の由来」と題する講演の原稿と、明治期の郷土史研究家塚本吉彦（１８３９〜１９１６）が集めた「黍志料（きびしりょう）」と題する「備中国鍛冶」についての資料を、１冊に綴じ合わせたもの。「吉備刀の由来」は松本の自筆原稿と思われ、（明治）３１年（１８９８）１２月７日付。用紙は「岡山県地理歴史調査用紙」。講演の内容は、備前刀の起源、古備前鍛冶、古備前長船鍛冶、福岡の二流、吉岡鍛冶及正中一文字派、中古長船の二流、畠田工一流、真宗工一流、大宮工一流、長船一流及吉井工、鵜飼工の一流、長船小反工五流、承元の上番工と御師範工、二十四番工と隠岐の上番工、可然物及新作物の備前工、天正以後の備前工、足利時代の備前刀。「黍志料」は、塚本が備中国阿賀郡水田鍛冶大月与五郎国重及其系譜、青江鍛冶（用紙は「岡山県地理歴史調査用紙」）、水田国重家系抜粋・越智（河野・大月・水田）家系・水田家先祖などの資料を書き写したもの。（文責：岡山県立図書館）

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