のちに付けられた表紙には「久米南條郡福田八幡宮之記」とあるが、本来の表紙では「美作抄抜萃」を「美作古事徴」と訂正している。本文の表題には「美作抄抜萃」、「福田八幡宮之事　付大庄屋太田助左衛門之事」とあって、「美作抄」から福田八幡宮の部分を抜粋したと記すが、「美作抄」については明らかでない。「美作古事徴」は本書の筆者が自ら付した表題かも知れない。記事は、福田八幡宮の由来、大庄屋太田助左衛門の努力による再興のいきさつを記し、延宝７年（１６７９）の龍寿山国分寺大阿闍梨慶侍撰文による太田助左衛門の墓碑銘を収めている。筆者、年代とも定かでないが、筆跡から、池ケ原（現津山市池ケ原）の人で、地方政治家・郷土史家として知られる大岡熊次郎忠成（１８４２〜１９２０）の著作と推測される。（文責：岡山県立図書館）

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