植木是水（うえきぜすい）（１６５９？〜１７４６）の言行を集めたもの。寛政１１年（１７９９）１０月の「備藩在元善」の序文によると、編輯は「市川某」という。巻末に天保３年（１８３２）閏１１月の、上道郡三蟠（現岡山市江並）の藤原練清（操南）の跋文がある。本書は写本。写された年代は不明。植木是水は赤坂郡周匝（すさい）村（現吉井町周匝）の人。少名助三郎。若い時は紺屋を業とし、２１歳にして陽明学の中江藤樹（１６０８〜４８）に学び、のち帰郷して子弟を教え、岡山城下へも年に数度出かけて教えたという。また、延享２年（１７４５）冬、藩主池田継政（１７０２〜７６）から若干の褒美を賜り、翌延享３年に８８歳で没したという。巻末に付けられた「吉備外史」（渡辺知水）の注記によると、序文の「備藩在元善」は不明、編者の「市川某」は新田池田丹波の家臣市川小左衛門時保であるという。（文責：岡山県立図書館）

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