表紙・題箋は後に付けられたもの。本来の表紙には「安政四巳年九月　備中小田郡吉田村六右衛門より児島郡味野村武左衛門外三人之者相手取関訴仕ル一件惣代出訴上村弥太郎江戸御評定所え差上ル返答書写　右懸り田之口村半左衛門」とある。江戸時代最後の大規模干拓といわれる福田新田（現倉敷市北畝（きたせ）・中畝（なかせ）・南畝（みなみせ）・東塚・松江）の干拓にまつわる資料。福田新田は福田古新田の地先（ちさき）に作られた新田で、はじめ児島郡柳田（やないだ）村（現倉敷市児島柳田町）の庄屋汲五平の請負で着手されたが、資金難のため思うように進まず、結局味野村（現倉敷市児島味野）の武左衛門が築立方となって嘉永４年（１８５１）に完成した。本書は、干拓完成後の安政４年（１８５７）、出資者の一人小田郡吉田村（現笠岡市吉田）の六右衛門がおこした訴訟の際、味野村武左衛門方から幕府評定所へ提出した返答書を、田ノ口村（現倉敷市児島田の口）の半左衛門が書き写したもの。（文責：岡山県立図書館）

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