本図は1906（明治39）年に印刷発行されている。しかし1898（明治31）年の小串村、八浜村の村名変更は記載されているものの、明治34年に新町に移行した片上町、和気町、八浜町、寄島町、金浦町、庭瀬町、吹屋町、成羽町は旧来の村名のままである。このことからこの地図は明治30年代初頭の岡山県の情報を更新することなく刊行された地図であることがわかる。本地図末尾に「岡山縣下賣捌所」という一覧があり、地図の販売窓口を紹介している。当時、取扱店は備前国に24（内旧岡山市内に11）、備中国に20、美作国に８、総計52を数える。

続きを閉じる