３冊から成る「美作太平記」の写本。美作太平記全１１巻は、江戸時代後期、菅原保実の著作と推定されるが、著者、成立年代とも不詳である。「美作太平記」（ＫＷ２５０／２３）の解説参照。室町・戦国期から森家が津山へ入るまでの、美作地方における諸氏の興亡を、赤松・浦上・尼子・山名・毛利・宇喜多氏らの美作における活動とともに記す。３冊のうち、第１冊には「美作太平記」五（ＫＷ２５０／２３／５）所収の「地理之巻」と「美作太平記」全１１巻の目録・巻之一、第２冊には巻之二と三、３冊目に巻之四と五が収められ、その後の巻之六から十一までを欠いている。本書は写本で、書き写した人物、年代とも定かでないが、第１冊の巻頭に収められる「地理之巻」の末尾に「安東則孝案スルニ（後略）」とあり、その文字から安東則孝が書き写したものと考えることもできる。なお、３冊ともに「美作国勝南郡高取岡氏蔵本」の印がある。「美作太平記」は『新編吉備叢書』第一巻、『吉備文庫』第一・二・四輯に収録されている。（文責：岡山県立図書館）

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