|
車輌【IRT355型】
井原線ではその開業時に一般車10輌、イベント車2輌を新しく製造して運用を開始した。
後に特別イベント車として夢やすらぎ号を水戸岡鋭治氏の設計により増備し、現在13輌を自社車輌として保有する。
形式は「IRT355」号で、IRTは、IbaraRailwaysTrainの頭文字から、355は装備するエンジンの馬力数から、命名された。
新潟鉄工所で製造され、ワンマン運転が可能なように諸設備を備えている。
ステンレスボディに井原線のイメージカラーであるフレッシュグリーン(自然)・レッド(旧山陽道)・ラベンダ(歴史)のラインを施した。 |
|
|
|
車庫に休憩している一般車輌…
井原線マスコットと井原線アピールテープを貼った車輌
1輌または2輌編成でのワンマン運転ができるように設計されている。
一般車はIRT355-01からIRT355-10まで、イベント車輌はIRT355-101から102番である。一般車の内2輌にはテープを張って、井原線のマスコット『いっちゃん』と共に、「さあ、井原線で出掛けよう」と営業努力がなされている。
|
平成17年特別企画車輌として導入された試運転中の夢やすらぎ号
外観は伝統的な茜色、野山がすべて茜色に染まる懐かしい原風景の中をディーゼルカーが走るイメージ。
夢やすらぎ号はIRT355-201で、インテリアはできるだけ天然素材を用いた。ブラインド・椅子・吊り手・荷物棚・窓台、には天然木ムク材を使用し、床面も木質とした。
デザインは九州新幹線などを設計した水戸岡鋭治氏。 |
|
|
清音駅南方の高梁川橋梁に向け走行中の一般車IRT355-01
デザインはステンレス製のボディに井原線のイメージカラーである、フレッシュグリーン(自然)、レッド(旧山陽道)、ラベンダー(歴史)の3色のラインを配した。室内は出入口付近にはロングシート、中央部には4人ボックスのクロスシートを配置し、車椅子スペースを1か所設けている。腰かけはブラウン色系統、室内の内張り化粧板はホワイトアイボリーで落ち着きと安らぎを期待した。側窓は大きな一枚固定式にして、熱線吸収式ガラスを採用して遮光・遮音・保温性を高めている。10輌保有する。
|
|
|
荏原車輌基地で一般車と連結しているイベント車IRT355-101
デザイン・内装・側窓は一般車と同一で、座席だけが一般車と異なって、2人掛け転換式クロスシートとなっている。
|
|
|
停車中の夢やすらぎ号IRT355-201
特別イベント車輌として、車内と言うよりも居間やティールームの様に心安らぐ「部屋」のイメージを演出した。インテリアはブラインド・ベンチ・吊り手・荷物棚・カウンターなどに天然ムク材を使用し、窓台も床面も同じ木製としてシックな味わいを持たせようとした。設計は九州新幹線などを設計した岡山県出身の水戸岡鋭治氏が担当した。 外装は子供心に郷愁のある夕焼け小焼けを象徴する茜色に決定され、内部の腰かけは、木製茶色の塗色で落ち着いた雰囲気を出し、テーブルを備えた4人掛けボックスシートとした。
|
|
|
|
車輌基地
早雲の里荏原駅の東方に、気動車13輌の検修基地として、洗浄線・留置線2線・回送線・引上線・検修線2線の他、材料線、モーターカー線が設置されている。 |
|
|
水戸岡鋭治
岡山県出身の、インダストリアルデザイナー。JR九州で新幹線800系など次々と話題の車輌を設計して車輌デザイナーとして地歩を固めた。
また岡山県の縁で両備グループの各種車輌を設計し、岡山電気鉄道のMOMOは話題をさらった。
ドーンデザイン研究所代表・JR九州デザイン顧問・両備グループデザイン顧問・岡山夢づくり顧問。 2012年には「駅弁から新幹線まで」と題して水戸市芸術館で鉄道デザイン展が開催された。伝統文化と先端技術との両立と脚光を浴びている。
彼の有名作品を概観する。 |
JR九州 |
岡山電気鉄道 |
○ジョイフルトレイン「アクアエクスプレス」
○特急「つばめ」1992年・・・(黒い車輌で有名)
ブルーリボン賞、ブルネル賞といった鉄道関係の賞だけでなく、グッドデザインなども受賞。
○特急「ソニック」1995年・・・独特なデザインが目を引いて九州の旅客を増加させた。
○特急「カモメ」2000年
○九州新幹線800系2004年・・・西陣織シート、簾、いぐさといった和のデザインを実現した。
|
○超低床電車「MOMO」・・・路面電車の都市と未来を考える会の要請によって生まれた。
○同じく路面電車「KURO」
○系列の和歌山電鉄の諸車輌・・・タマ電車、おもちゃ電車、和歌山電鉄はネコ駅長タマで有名になった。
○そのほか高速バスやインターチェンジ待合室などを手掛けている。
|
|
|