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夢二生家
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このかやぶき屋根の家は、二百数十年前の家といわれ、夢二が16歳まで生活していた生家です。昭和45(1970)年に地元のバス会社である「両備バス株式会社」が購入、「夢二郷土美術館」として一般公開され、現在に至っております。夢二の本名は、茂次郎〔もじろう〕といい、家業は酒の取次販売業の傍ら農業もしており、当時としては裕福な家庭でした。
祖父母、父母、七歳年上の姉、そして妹と穏やかな自然の中で心豊かに少年時代を過ごしています。兄が一人いましたが、夢二が生まれる前年に亡くなっており、跡継ぎの男の子としてことのほかかわいがられました。
高等小学校を終えた16歳のとき、名門神戸中学校(現神戸高校)に入学、多感な年頃の夢二には、異文化のあふれた神戸の街はすべてが興味深いものでしたが、家業の不振で8ヶ月で退学し、一家をあげて九州福岡に移りました。
明治34(1901)年の夏、18歳のとき、家出同然の形で上京、翌35(1902)年、早稲田実業学校に入学し、38(1905)年には同校専攻科に進み、その年の6月、少年向け雑誌への投稿をきっかけに「夢二」という名前で画家として世に出ました。
詩を絵に描いた独特の夢二画は人気を得、挿絵画家としての地位を築きました。 |
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♪BGM:「宵待草」 |
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